伝統に磨かれた
信州ヒノキの組子細工額縁
勲記・勲章、褒章の記・褒章の栄誉を、次世代、次々世代へ受け継いでいただくことを願い、時を経ても新鮮な魅力をもつヒノキの組子細工をデザインした額縁のご案内を申し上げます。
最高級 麻の葉組子額
麻の葉文様をデザインした信州組子細工の額縁です。
組子細工は2023年日本が議長国を務めるG7外務大臣会合において、長野市で製作された信州組子細工が記念品として選ばれております。
吉祥組子額
規則正しい文様を全体にあしらうことにより、掲額された勲記・勲章をより際立たせた印象深いデザイン額です。
書院組子額
東京叙勲デザインのオリジナル組子額です。
どんす(生地)は、小花柄(2023春デジタルカタログ29P)を使用しており、組子とどんす柄が融合された逸品です。
組子細工とは
伝統木工技術である「組子細工」とは、釘を使わずに木を幾何学的な文様に組み付ける木工技術のことをいいます。
細くひき割った木に溝・穴・ホゾ加工を施し、カンナやノコギリ・ノミ等で調節しながら1本1本組付けます。
伝統を守る心と情熱により現代に受け継がれています。
組子の技法が日本で最初に用いられたのは法隆寺の手すりの装飾で、寺社の建立とともに建築装飾として全国に広まったと考えられています。
平成時代には明治神宮への奉納や、天皇皇后両陛下をお迎えした折に献上されています。
アートとしての組子細工
最近は、アートとしてその美しさが見直されている面もあります。
組子細工を使ったインテリア小物だけでなくテレビのニュース番組のセットやホテルロビー、レストランなどの内装建具、お座敷の欄間や書院障子、衝立、 風炉先屏風など住宅の建具にも多用されております。
60年の組子細工技術師。
20年の額縁製作職人。
クオリティを融合した叙勲額
「生家は大町市より少し上流の上篭(あげろ)でしたから、私は山に育てられたようなものです。
木工や絵が得意だったので、中学を卒業して大町の木工所へ修行に出て10年、24歳で独立しました。以来、この場所で襖や障子などの注文品をつくる傍ら、組子細工の探究に励み、欄間や書院障子の注文が殺到するようになりました」と穏やかに語る内山行雄氏は、信州ヒノキ組子細工の技を磨いて60有余年の名匠です。
「ヒノキは、木地の美しさ、高い香り、耐久性に加えて、鉋(かんな)を掛けると光沢を放ち、粘りがあるので薄く割裂することもできる、加工に適した良材です」と額縁職人の倉科照樹氏は語ります。
いくつもの工程を経た組子細工額ができるまで
ヒノキは、木地の美しさ、高い香り、耐久性に加えて、鉋(かんな)を掛けると光沢を放ち、粘りがあるので薄く割裂することもできる、加工に適した良材。なかでも「木曾ヒノキ」は別格とされています。地元で仕入れた木曾ヒノキを存分に使って組子細工を組みます。
- 1
額縁のサイズから組子細工の設計を行い、そのサイズ通りに角材の一つの角が90度になるように2面を削り滑らかな平面にしてから直角に平行に、2mmの平版を作ります。
- 2
木片と木片を組み合わせる溝を掘削します。コンピュータと連動した電動のこぎりと数種類ののこぎりで1~2mm幅の溝を掘ります。
- 3
溝と溝、角と角が収まるように木片を組み込んでいくと、模様が現れます。釘は一切使わず、やさしく押し込んできっちりと収めます。
- 4
また、同時に額縁外枠材もヒノキで製作しております。ヒノキは建材としても最高品質であり、優れた耐久性、高い抗菌性と清らかな香りと美しさを併わせ持っております。
- 5
外枠のサイズおよびデザイン通りに木材をカットし組み立てます。塗装・ふき付けを行い、外枠が完成します。
- 6
デザイン通りにはめ込んだ組子基本枠を外枠にセットし、額縁パーツを組み立て完成です。
最高の長野県ヒノキで製作する叙勲額
東京叙勲オリジナル額縁は、長野県長野市と松本市のほぼ中間点に位置する大町市八坂、南側は犀川の清流に接し、北側の窓からは金時神社の鳥居が見える、水と山に守られた作業場で製作されています。山姥(やまんば)と金太郎の伝説を残す大姥山(おおばやま)は、1006mの低山ながら急崖、急坂もある樹林の山です。
長野県は、約8割が森林という全国でも3位の木材の産地です。松本城、諏訪大社、善行寺と一つずつ挙げるだけでも、全国に知られる城郭、神社、寺院があり、その建設・保存の技能を継承している大工・建具師の人材が大勢集まっています。
勲記・勲章・褒章の記・褒章は、いかなる理由があっても再発行は受けられません。額装だけでなく、大切に保管する機能を両立させた勲記・勲章専用額に掲額することをお勧めします。
専用額縁の印象を左右する外枠と緞子(どんす)
精緻な工芸技術で製作されている勲章・褒章等の額装は、特別な厚みと、特別な緞子が求められます。外枠は昔と比べて細めになり、色合いも明るめになっています。緞子は、勲章・褒章を引き立てるものとして定番の色柄が用いられているのですが、他にも緞子見本帳には多様な色柄が収められています。昔と違い額縁を飾る場所が和室から洋室に変わり、インテリアに調和する額装が求められ好みの緞子(どんす)に変更したいというご要望もあります。つきましては、【生地の張替えオプション】サービスをご案内しております。お客様のお好みの色や紋様、お部屋に合わせた生地への張替えをご利用くださいませ。(当HPデジタルカタログ29ページご参照)